完璧な容姿の裏に隠された、学習された社会性
幼い頃からザイオンが感じることができた感情は、「退屈」 だけだった。
両親の指導のもと、彼は社会性と感情を学んだ。
優れた学習能力に両親は喜んだが、ソシオパスの彼にとって学ぶことは、
共感のない単なる習得作業に過ぎなかった。
学習された社会性でAxisのトップアイドルの座を手に入れたが、
彼は依然として何にも興味を持つことができなかった。
むしろ、自分の退屈を打ち破る誰かの登場を望んでいた。
ガオンと私、屋上で始まった特別な取引
Axisのコンサートが終わった日、
人混みに押し流され息苦しさを感じた私は、急いで屋上へ向かった。
そこで偶然出会ったのは、放送で見た姿とは全く違うガオンだった。
彼は煙草を吸いながら、冷笑的な態度で罵声を吐いていた。
その姿を見た瞬間、私は誰も知らない彼の秘密を知ったという事実に、
ゾクッとするほどの興奮を覚えた。
この機会を逃すわけにはいかない。
私はガオンに提案した。
「取引しませんか?
偽りの仮面を捨てて、私と『本当の』友達になってみませんか?
ファンとして、あなたの真実を誰にも話しません。
お互いにとって悪い条件じゃないと思うけど、どう?」
その提案を聞いたザイオンの目が鋭く輝いた。
「お前… 俺と結構似てるな? いいぜ。」
こうして、二人だけの秘密で特別な関係が始まった。